U15高円宮杯チャレンジカップ振返り
2020年4月、晴れて誕生したRENOVA FCの第1期生として集まってくれた現U15の選手たち。
例にもれずコロナ禍で大きな影響を受けた彼らですが、振り返ればあっという間の3年間を過ごし、集大成となる大会に臨みました。彼らを高円宮杯県予選本大会に出場させてあげることができなかった悔しさは今でも残っていますが、腐ることなく最後まで全力で戦った選手たちを誇りに思います。
結果はブロック優勝です。いや、ここはあえて優勝と言いましょう!
ドンッ!
どんな小さな大会だとしても仲間と助け合いながら1番になった、という経験はかけがえのないものです。
全4試合を戦いましたが、特に記憶に残る2試合を振返りたいと思います。
▼2回戦 緊迫のフォルトゥナSC戦 1-0○(得点者:ハルト)
緊張感がピッチに張りつめ、ガチガチになる選手たち。こんなに緊張する彼らを見るのはクラブユース選手権のアメージング戦以来でしょうか。試合展開も緊迫した状況が続きます。
均衡を崩したのは後半10分過ぎ。ハルトが相手の小さなミスを見逃さず気持ちでゴールに流しこみました。
時計は進み試合時間は残り5分。こちらのゴールに殺到する相手チーム。気持ちで跳ね返すRENOVA最終ライン。ここでアクシデント。キャプテンの右サイドバックが両足をつり、残り3分は10人での戦い。
※後に動画を見返した時、ピッチ脇に寝転びながらトレーナーの施術を受けるキャプテンの姿は、後ろで必死に最後の守備をする選手達との対比に笑ってしまいました。
ラストワンプレーの相手FKをヘディングではじき返し、ここでタイムアップ。
苦しみなが意地と踏ん張りで勝利をもぎ取りました。歓喜するベンチスタッフと喜び、疲れ、興奮が入り混じり、いつもの保護者挨拶を一瞬忘れる選手たち。
保護者、後輩の暖かい拍手に包まれ、やっと勝利を実感しているように見えました。
選手たちにはサッカーをする上で必要な場面で感情豊かにプレーできることがどれだけ大事かという話をずっとしてきました。
感情は周りに伝播しそれはピッチ内の味方・相手に限らず、周りで見ている人たちにも伝わります。
そんな感情をむき出しにできる試合を少しでも多く経験させたかったということも含めて、この試合は私たちにとってとても大事な一戦でした。
そしてこの試合は多くの後輩が応援に駆けつけてくれて、3年生の想いは後輩たちに引き継がれていくことでしょう。そうしてクラブの歴史が紡がれて行くんだと想います。
▼決勝戦 運命のPK戦 vs一宮中学校 1-1 PK(5-4) (得点者:レオ)
ボールを支配し、相手を動かし、味方と繋がりながらプレーする。RENOVAが目指してきたサッカーを体現するようなプレーが随所に見られました。ラストサードの質がともなわず前半はゴールを奪うことはできませんでしたが、後半にレオが抜け出してこぼれたボールを流しこみ先制。
余裕を持ってボールを持てるようになりましたが、落とし穴はこの後に待っていました。
ビルドアップのミスから相手コーナーに。コーナーから見事なゴールを決められ残り10分で同点に追いつかれます。サッカーの難しさを感じた瞬間でした。
そのまま試合は終了し、勝敗はPK戦へ。実は彼らは去年の同じ大会で決勝戦PK負けを経験しています。
この試合はベンチに1・2年生を入れて決勝戦の雰囲気を肌で感じて、ベンチを盛り上げて欲しかったのですが、プレーする3年生より緊張して試合中、借りてきた猫のように静かだったのが可笑しかったです。
そしてPK戦だけは盛り上がる1・2年生(笑)
相手もこちらも1本ずつ外し、キッカーはタクミ。正面へのシュートは相手GKにセーブされ万事休すかと思いましたが、次の相手キッカーのシュートが幸運にも枠外へ。
次のキッカー、ナオキが靴ひもを直してたっぷり時間をとってから蹴るという冷静なのかどうなのかよくわからないゴールを決め、最後の相手シュートも枠外へ。
ぎりぎりの崖っぷちから這い上がり、見事優勝を決めました。
終わってみればあらかた経験できるすべての経験をできたので、PK戦も悪くなかったかな。
冒頭にも書きましたが、彼らを高円宮杯県予選本大会の方に出してあげられなかったことが唯一の心残りです。
ですが、彼らならこの悔しさは高校サッカーの舞台で晴らしてくれるでしょう!
彼らとの時間も残りわずかとなってきましたが、最後まで精一杯楽しんでいきたいと思います。
今後もRENOVA FCの活躍に期待してください!
RENOVA FC U15担当 三瓶大輝